るり子の日記


おうちがすき

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■2021年01月24日 「納涼シアター」
びじゅチューンという動画を教わって、久隅守景「納涼図屏風」(好き)
をもとにした「納涼シアター」を一緒に歌える(難し)まで見る。瓢箪棚
の夕涼み、「別のとこで笑う」両親と映画を見ていた坊が、長じて彼と手
を重ねて映画を見て、同じとこで笑う。起きてきちゃう娘は異国の子。子
に邪魔されなければ多分気づけなかった夕顔の蕾。子どもと暮らす面倒の
中でしか出会えないものってあるなあ。両親からもらった時間と愛情を、
他人の子に恩送りする同性カップルと知る。映画は「植木鉢かづき」か?
■2021年01月23日 純正品とことん使い
プリンタインク、悩ましいですねー。安い互換品に替えて後、数本分はう
まくいく。でもだんだんダメになって最後には本体を壊す。これを何度も
やってきた。今のプリンタは4年目で今のところ純正品でつないでいるが、
インク代はとうに本体価格を大幅に超えて…ううう考えたくない。どのみ
ち本体もちょっと傷んできたから、そろそろ互換インクを買っては…ダメ
だって。子どものころ電気屋さんになりたかったおとんが言うからそうな
のだろう。インク切れと言われても無視して色がおかしくなるまで使う。
■2021年01月22日 『ザリガニ…』に挟んだしおり
おりがみを折るときは、余分な線をつけないように注意するものだと思っ
ていたら、3歳孫がどんどん好きなように折って開いて折り直して、ステ
ィック糊も鉛筆も使って何やら作って私にくれた。「何をつくってくれた
のかな?」聞くと「おさかな」。確かにそう思って見れば魚である。その
へんにポンと置いているうち、どんどん魚に見えてきた。紙の端と、折っ
てできた縁を突き合わせにしてあるところなど、おりがみ上手のおかあさ
んの手元をよく見ているなと思わされて感心する。本のしおりとして愛用。
■2021年01月21日 遅いデビュー
ディーリア・オーエンスという学者さん69歳の小説家デビュー作『ザリガ
ニの鳴くところ』早川書房のヒロイン、カイアの中から、本の中の私の古
い友達『果樹園のセレナーデ』のキルメニイや、『リンバロストの乙女』
のエルノラが顔を覗かせる気がした。眠りが浅くなった明け方、読みかけ
のこの本のことを考えていて、あっ犯人はあいつ!とひらめいて「わかっ
ちゃったもんねー」とおとんに話していたら、全然違った。でもこれ推理
小説というより恋愛小説ね。湿地の博物学の話が時折出てくるのが楽しい。
■2021年01月20日 週刊 DUDIKO 480
占いやおまじない

 カトリックの教義の中で育って、プロテスタントのことはよく知らずに
来た。大人になってプロテスタントの友人に恵まれたり、そのご縁で牧師
様がお書きになったものを読んだりするようになって、「占いやおまじな
いに頼らないように」と言われていることを知った。
 考えたこともなかった。「血液型何型?」「星座何?」という占いは、
面白かった。おまじないにはあまりなじみがなかったが、整体の先生にみ
て頂くようになって、「整体は『痛いの痛いの飛んでけ』と同じです」に、
なんだか納得。昔大人たちに「ちちんぷいぷい」と唱えてなでなでしても
らえば、転んでひざを打ったぐらいのことなら、治った気がする。そんな
いいことが、なぜダメなんだろう。
 キリスト教は一神教だから、それ以外のやおよろずの神々にご神託を仰
いだり、占い師に頼ったりするのは「迷信ですよ」、つまり「神は私一人
だから、そこんとこよろしく」みたいな禁忌に対しては、うーん、汎神論
も魅力的だけどな、と思ってしまう。
 祈ることと、自分の頭で考えることをおろそかにするな、ということだ
ろうか。確かに占いやおまじないには、自分で判断する責任から逃げる側
面が、あるかもしれない。でも、それで元気が出るなら、上手に使えばい
いと思うけどな。
 公式(?)の理由はよくわからないが、度を越せば害があるのは、理解
できる。社長さんが、よく当たると評判の占い師に勧められた財テクに走
ったら大コケして、自分のみならず、従業員とその家族を露頭に迷わせた、
なんて話があったなあ。また、重めのおまじないのつもりで、人の不幸を
願ったり、呪いをかけたり、といったことにエスカレートしていくのは怖
い。お能「鉄輪(かなわ)」の「丑の刻参り」みたいに、鬼になるかもし
れん。程度問題の線引きが難しいことには、最初から手を染めるな、とい
うことだろうか。
 結局まだ理由はわかっていない。「誰か『正解』を教えてー」と思いな
がら、そういう態度は、占いやおまじないに頼るのと同じで、これも「答
えは自分で探すべし」ということかなーという気もしている。
■2021年01月19日 『ヒルダと真夜中の巨人』
ルーク・ピアソン『ヒルダと真夜中の巨人』春陽堂書店。何の悪気もない
巨人にやすやすと家を踏みつぶされて、自分たち人間が知らないうちにエ
ルフたちを脅かす加害者になっていたことを、理解せざるを得ないという
辛い話。「立場を変えて見る」ことが、わかりやすく描かれる。四千年待
って再会できた巨人の恋人たちの選んだ身の振り方が切なかった。北欧神
話に語られる通り、巨人の居場所はこの地上にとうにないらしい。人も自
然とだいぶ離れてらくに暮らしているけれど、居場所なくさないといいね。
■2021年01月18日 『ヒルダとトロール』
アニメへの苦手感が強くて敬遠していた絵本、ルーク・ピアソン『ヒルダ
とトロール』春陽堂書店のおしゃれな見返しと、本の中の本のページのし
なりに合わせて活字もしなっているのに感心して長いこと見入った。冒険
家を志す少女ヒルダは雨「だから」テントで寝るといった自分に厳しい子
で、危険から身を守る方法を調べて考えて対策する。相手がトロールでも
辛い目に遭わせたくないという優しさもある。好きにならずにいられない。
訳者解説にある、ウッドマンという不思議な存在の典拠が魅力的だった。
■2021年01月17日 本のお噂
ジリアン・エイブリー『オックスフォード物語〜マリアの夏の日』偕成社
再読。伊藤比呂美『木霊草霊』岩波書店。詩人って散文もすごいなと楽し
んでどんどん読んだ。(いつしか時も過ぎの)杉の戸を「あけてゾケサは
」の表記にとらわれて、変なところにはまる自分を笑いつつはまる。いつ
かもう一回読むと思う。ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ『言葉の守り人
』国書刊行会。「自分の中の沈黙の言葉を聞きたがらぬ者は、いとも簡単
に他人の餌食となり、奴隷にされてしまう」。答えは自分で見つけるのね。
■2021年01月16日 科学のうらづけ
金井真紀『農のひと』左右社。引き込まれた。言語障害児治療の大家で、
ビル・モリソン『パーマ・カルチャー〜農的暮しの永久デザイン』(農山
漁村文化協会)の翻訳者でもあられた田口恒夫先生のお話をお聞きしたと
きのように。農業と子育てには通ずるところがある。よい結果の出ている
自然農法を、科学的に実証することで「樹がよろこぶ」農業のスタイルを
広げたいと願う、山梨大の矢野美紀先生に共感した。子育ての「なんとな
くよい」に科学の裏付けをつけてゆかれる黒田公美先生みたい。頼もしい。
■2021年01月15日 「おくのゆ」+落書き=「おにのゆ」
りとうようい『おにのおふろや』すずき出版。湯温を上げるには、真っ赤
に焼けた鬼の金棒を、お湯にざぶんと入れてぶんぶんかき回すのですって。
大変豪快で気に入った。数年前に岐阜で、母と妹と一緒に行った銭湯、楽
しかったなー。遠いから車だったのがへんてこだったけど。大人は銭湯に
まつわる思い出をよみがえらせ、子どもは「銭湯、行ってみたい」と思う
だろう。赤鬼だらけのこの本を読み終わってすぐ、水を飲んだ。のどの渇
きはうつる。コロナで銭湯も心配だが、どうか存続しますようにと願う。
■2021年01月14日 ダメを言わせない工夫
父親手製のプレイスタンドで、10か月孫の遊ぶ写真が送られてきた。自分
が遊ぶ玩具に手を伸ばされそうになるとダメーと言う(当然だ。大事なお
仕事をしているのだものね)3歳孫はおでかけかな?と思ったら違う。妹
が遊びやすいように、おねちゃんが準備してくれたのだって。ほんとうだ、
木のスプーンと、口に入れても安全なサイズのおもちゃだけが、かごにす
っきりと備えられ、0歳は安心してゆったり遊んでいる。引き離し策だけ
じゃないんだ。なんと頭のいいおかあさんだろう。婆も頭使わなきゃね。
■2021年01月13日 週刊 DUDIKO 479
老いの自覚

 孫が生まれて、自分についてつくづく思い知ったことの筆頭が、「子ど
もの相手をしながら家事をする方法を、私はすっかり忘れている」という
ことだった。昔はこともなげにやっていたのに、どうしたことかと焦った。
このごろようやく思い出してきた。でも3歳が、0歳10か月の妹に自分のあ
そびを邪魔されたくないときのなだめ方は、やっぱり忘れている。仕方な
いので、左腕に0歳を抱っこして、右手だけで乾いた食器を棚にしまった
り、テーブルを拭いたり、小皿を並べたり、やかんに水を汲んで沸かした
り、炒め物をしたり、していた。
 すると、右ひじがすごく痛くなった。追って右手首も痛くなった。8キ
ロ強の負荷をかけているのは左腕なのに、どうしてだろう。
 こういう話は、整体の先生の領域ねと思って、相談してみた。「それは、
体がやめてと言っているんです」。そんな気はしていた。昔は平気だった
けど、今はどうかな? あ、大丈夫じゃないフフフ。できるじゃないエッ
ヘンと思っていたけど、やっぱり、だめだったか。末っ子の0歳当時から、
32年経っているからなあ。
 「痛みを発して『やめて』と言っているのに、無視して続けていると、
そのうちけがなどして、出来なくなるものです」。そうかもしれない。今
までの小さなけが(何でもないところで足首をひねるなど)の際に、「い
ったん壊して、治る過程で、以前の故障を修正しようとしている」と指摘
されたことが、何度かあった。何かをやめさせようとして、別の個所に痛
みを出すことぐらい、体はやりそうだ。
 「そんなふうに抱っこされても、赤ちゃんだって嬉しくないと思います
」。そうね、婆の「年に似合わぬ力じまん」の種にされても、迷惑千万と
いったところだろう。「赤ちゃんでも、話せばわかるものです。『今お料
理だから、ちょっと待ってね』と言えば、納得してくれますよ」。確かに、
あかちゃんって、そうだった。ここはひじと手首の使いどころではなかっ
た。頭とことばの使いどころだったのに、「考えること」と「伝えようと
すること」を、怠けていたなあ。
 「自分のけがですめばいいですが、赤ちゃんにけがをさせることだって
ありますよ」。
 それは絶対に絶対に避けなくてはならない。抱っこで台所はやめようと
固く決心する決め手は、これだった。安全第一。「まだいける」などと言
っていないで、老いを自覚して行動する方向に、即刻切り替えます。
■2021年01月12日 真ん中で会おうね
表紙から普通に読んでいって、最後まで行ったら上下を返して再びページ
をめくっていくと、ひとつながりの旅になっている絵本、アン・ジョナス
『光の旅かげの旅』評論社は傑作だと思う。ジェローム・ぺラ『わたしの
やま』世界文化社は、また違った趣向のさかさま絵本。山の羊飼いにとっ
ての恐れは狼だが、狼にとっての一番の危険は人間。一つのものごとも立
場を変えて見れば全く逆のこと。互いに恐れる相手との共存はたやすくな
いが、共存可能な広さは「ある」と真ん中で共鳴し融合する。心地よい。
■2021年01月11日 流れ星、幻日
ほとんどの仕事を自宅でするようになった夫と、1日7000歩を目標に朝晩
散歩に出ている。大体達成できているが、通勤日の歩数と変わらないそう
で、意識しないと即刻運動不足になるのを再認識。家を出るのが日没後に
なった先日、次々と星が出てきた。オリオンとカシオペアとすばるがわか
って、もっと見ながら歩こうと夫につかまったとたん、長く尾を引く流れ
星。願いごとはもちろん、夫に知らせるのも間に合わなかった。11月の夕
方にも私だけ見た。ゴメン。12月15日朝の幻日は夫が見つけて2人で見た。
■2021年01月10日 イギリスの昔話
昔話づいて、脇明子編訳『かじ屋と妖精たち』岩波少年文庫20年を読む。
小2の時から毎日のように手に取った『オクスフォード世界の民話と伝説
』講談社12巻のうち、一番ぼろぼろのイギリス編との重なりが多くてなつ
かしく、でも同じ曲でも演奏家によって違うように、語り口と編まれ方で
楽しみも新鮮だった。子どもの頃に大好きだったお姫さまたちに、また会
えた。くるみ割りのケイトははしばみ割りだったし、タム・リンを救うジ
ャネットはイメージよりたくましいが、私は堀川理万子のこの絵が大好き。
■2021年01月09日 「もっと昔話」の入り口
『ちいさいおうち』のヴァージニア・リー・バートンが絵を描いた『コヨ
ーテのはなし〜アメリカ先住民のむかしばなし』徳間書店を頂きながら、
この手のトリックスター物語はちょっとしんどいなと放置していた。お正
月騒ぎが一段落ついて絵をパラパラ眺めてみると、そそられて一気読み。
作者リー・ベックの編集の力か、どんどん面白くなる。全訳だそうだがほ
どよい分量で、バラバラのお話集なのに、全体がなんだかうねっている。
「ハイ、我が事です」と教訓が身に染みるものもある。魅力的な昔話集。
■2021年01月08日 口上付きの本売り
内田洋子『モンテレッジョ 小さな村の旅する本屋の物語』方丈社。写真
に見とれた。写真で旅するのは、好きかもしれないと思った。本の行商人
のお話。高価で難解な本ばかりの書店と違って、モンテレッジョの人たち
が運んできてくれる本なら対面でのおはなし(口上)つきだし、いくらで
も手に取って見られるし、身近な内容だし、自分たちにも買えるぐらい安
い。客たちにとって「本は未来の友人だった」。彼らは本とともに生きる
読者を作ってきた…。本は楽し。本好きを増やす仕事には夢があると思う。
■2021年01月07日 何を描くか、何が描けたか
3歳のお絵描き。クレヨンで最初に描けた線をじっと見てから、何本か色
とりどりの弧を描き加えて「にじ」。鉛筆で何やらミロ風の曲線を描いて、
じっと見て「ひつじ」。確かにそう見える。別の紙に描いた線を見て「ほ
らお魚釣ったの」。ほんとだ。糸の先に小さな魚がついているように見え
る。ただししっぽから糸が出ている。何かを描こうと思って描くというよ
り、先に手を動かして描けたものを眺めて何に見えたかを決めているよう
に見える。アンソニー・ブラウン『シェイプ・ゲーム』評論社を思い出す。
■2021年01月06日 週刊 DUDIKO 478
コーヒー染め

 コロナでキャンセルになった染め物ワークショップが「コーヒー染めの
予定だった」と家族に聞いてから、コーヒーの出がらしを集めていた。も
ともと、コーヒーは活性炭より強力な脱臭剤になると知って、軽く乾かし
たものを冷蔵庫に入れていた。次のが出たら庭に撒いて「本業+脱臭剤+
肥料で3回使えた」と喜んでいた。脱臭と施肥の効果のほどは定かではな
いが、自己満足効果はマル。
 庭に撒く前に貯めたのが、どれぐらいになったかというと、大きめミッ
クスナッツのチャック袋がパンパンになって、冷蔵庫の邪魔だなあと感ず
るぐらい。その適当な量に適当に水を入れて煮立てて「一番だし」に。金
属製の裏ごし器で濾し取った粉に、水を足して煮立てて「二番だし」に(
この呼び方は間違っていると思うけど、台所でやるからこんな感じ)。濾
して両方を合わせる。お風呂程度に冷めるまで置いて、沈んだ粉が舞わな
いよう、上澄みを大鍋に移して使うことにした。
 生成りに茶系アーガイルが少し入った、ユニクロの薄いカシミアセータ
ーを染めることにした。夫が着て洗濯で縮んだので、私が続きを着てちょ
っと汚れて、虫食いもある。すごく気軽に実験できるそのセーターを、ぶ
くぶくと沈めて大皿で蓋をし、一晩置いて水洗いした。媒染はナシ。媒染
のことがよくわからないのと、色落ちしても全く困らないから。
 カフェオレ色に染まって、前身ごろの汚れが目立たなくなった。男物の
縮んだのをゆったり着るのが楽でよかったのに、ぴったりになってしまっ
た。液がすっかり冷めるまで待つ方がよかったかな。でもその分目が詰ま
って暖かくもある。
 このセーターのもともとの模様は、こげ茶色の大きなひし形の重なった
ところ、つまり中学で習った「ベン図」の「積集合」にあたるところが、
薄茶色だった。地色が生成りの時は、アーガイルに見えていた柄が、地色
と積集合部分の色が近くなったため、「プラナリア模様」に見えてきた。
 そしてそれは、18年から使っている、ドイツの日めくり式アドベントカ
レンダー、『24 nostalgische Weihnachtsgruesse: Ein Postkarten
-Adventskalender zum Aufstellen』 に連なる。12月2日、パウル・オッ
トー・エンゲルハルト描く、そりでもみの木を運ぶ4きょうだいの、お兄
ちゃんのマフラー柄に、私は勝手に「プラナリア」と命名していた。そう
か、このマフラーも、基本はアーガイルだったのを理解した。
■2021年01月05日 お仕事
細長い紙を束ねたはぎとり式メモを見つけた3歳が、鉛筆で何か書いては
絵本に挟み込み、端は見えるように外に出して積み上げるお仕事をしてい
たことに、本人の帰宅後気づく。図書館本には返却期限の紙がこんなふう
に挟まれているね。大晦日ZOOMをしたとき「近況報告を」と爺が言うと促
されないのに自分からぽつぽつ話す。「くるまがすきです」「3さい」「
あと、えほんもすきです」「(犬の指人形を持ってきて)まついねずみで
す」。ねずみかい! しかし今言うべきことを把握しているのに舌を巻く。
おそともすき