るり子の日記


おうちがすき

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■2018年02月24日 離れがたい
子どもの保育料を払っても、長期的には黒が出る仕事を、私は持っていな
くて専業主婦にならざるをえなかったのだが、そのおかげでかなった願い
がたくさんある。子どもの笑いを見逃したくない。常駐型「母乳お燗器(
夫による)」の任務を完遂したい。子どもの最初の一歩に立ち会いたい。
子の言葉を聞き逃したくない。子のごはんを自分で作って食べさせたい。
1日100回抱っこしたい。それの出来ない夫に全部とっくりと話してあげた
い。当時の私は子らに必要とされたおかげでピカピカに輝いていたと思う。
■2018年02月23日 やっと近づけた
みんなの本(図書館)だからシーズン中の新刊は遠慮。斉藤倫『クリスマ
スがちかづくと』福音館書店。サンタクロースは「いるかいないか」でな
くて、「なるかならないか」なのねー。それはさておき、両親は仕事で忙
しくて、毎年ひとりぼっちのクリスマスを過ごしてきた子どもが主人公。
友人が送ってくれた新聞の投書に、女性の活躍云々の前に、お父さんの給
料で妻子が暮らせるようにしてほしいとあって、ほんとにそうだとうなず
いた。わが子の子育てで活躍したい願いを叶えるんじゃダメすぎですか?
■2018年02月22日 漆=マンゴー=カシュー=銀杏外皮
いつもドライフルーツを買う通販で、ミックスナッツのセールをしていた
ので買おうとしたら「当店のミックスナッツに使用しているカシューナッ
ツ及びくるみは生となっております」とあったのでやめた。ウルシ科のマ
ンゴーにかぶれたとき、お医者さんに「中華素材の生カシューでもひどく
かぶれると思いますよ。注意してください」と教えて頂いたのを思い出し
たのだ。これもウルシ科だがローストしてあれば大丈夫。ぎんなん外皮も
ウルシオールが含まれているからだめ。気をつけてね。かぶれの女王より。
■2018年02月21日 週刊 DUDIKO 336
人と違うこと

 小1の私は痩せていて、おばあちゃんに「がりとんぼ」と呼ばれていた。
電車通学だったので、その頃競われた「ランドセルの段数が多いほどかっ
こいい」の戦列から、最初から外れた2段のランドセルを買い与えられた。
 自分が買ってもらった6段や7段の誇らしい子からは「え? 2段なんて
あったの?」の扱いだった。しかもその男の子は、痩せ具合は同じぐらい
で、私と同じ路線の、もうちょっと遠い駅から通っているのだった。ちょ
っとは悲しかったけど、ほとんど平気だった。こうなった理由に納得して
いたから。確かに試しに背負わせてもらったお友達のよりも、私のランド
セルは軽くてらくだったしね。
 一学年上の夫に「どうだった?」と聞いたら、立派なランドセルだった
って。でも重くて嫌だったので、中学入学の際、革の学生鞄を買い与えら
れそうになったときにお断りして、軽くて安いクラリーノ(合成皮革)を
買ってもらったそうだ。
 あ、私もそこは全く同じ。面白いね。合皮の学生鞄は、縁のところが反
っくり返ってくるのが「やっぱりね」の感じだったけど、案ずることは他
にもたくさんあったから、鞄の難の比重は軽かった。
 夏の制服スカートも、ウールよりもポリエステルの方が安いから、そっ
ちでいいよと言ったのだったが、横に成長しちゃって、次にウールを買っ
てもらったら、涼しいのに驚いた。以後身に着けるものはなるべく自然素
材にしている。このごろは、化繊混じりでない下着のパンツを見つけるの
が、難しくって困ってますの。
 生まれつきの茶髪も金髪も黒く染めろとか、どんなに高くても制服は買
えとか、そういう学校の、子どもを「きゅうくつな枠にはめた方が教育的
に勝ち」みたいな上意下達体質を「いやだな」と思うのは、小1当時に2段
ランドセルを持たされたせいかもしれない。遠くのふぞく(くじ「だけ」
で入る、全国でも珍しい国立大学付属)に電車通学していたことも、カト
リックの幼児洗礼を受けて、日曜日の時間の使い方が、人と少し違ってい
たことも影響しているか。
 だとしたら、それらは私にとって、いいことだったと思っている。おか
げでそのつど、「これはどういうことかな?」と考えるようになったから。
しかし子どもに「人と同じならいいとは思わない。でもお父さんとお母さ
んは『人と違えばいい』と思ってる」と非難されたことがある。なるほど、
そう見えるんだね。ご迷惑かけたねえ。
■2018年02月20日 年老いること
私の中では「ハシモトオサムザグレート」だったし「橋本治は光源氏」だ
った。『窯変源氏物語』全巻所蔵。その光さまが69歳でお書きになった『
九十八歳になった私』講談社を読む。年取るってこういうことなのね。全
集出させてほしいと言うメロンの娘がいい。全集って彼の最も売れなかっ
た冗談本3冊を10部コピーさせてほしいという話。俺が死んだら著作権好
きにしていいと言われて「純真な少女は『いいです』と言った。美しい心
だ」。笑。ああ60のうちに何とかせねばならん。しかし何をどうやって?
■2018年02月19日 あなたのこと知っているかも
『ゆきのうえゆきのした』『どこかでだれかがねむくなる』のクリストフ
ァー・サイラス・ニール絵『つちづくりにわづくり』福音館書店。楽しか
った。湿った畑土のいい匂いがしてきそう。蜘蛛の仲間だけど蜘蛛ではな
いザトウムシのことを読んで、私この人のこと知ってるかもと思った。糸
を出さず、アブラムシやダニを食べてくれる益虫。益虫と聞くと、とたん
に可愛い気がしてくる。受粉を助ける蜜蜂や蟻。土を浄化するミミズ、蚊
を食べるこうもり、アブラムシを食べるカマキリなど。春にまた会おうね。
■2018年02月18日 説教される権利もある
「真冬のアイスクリーム」の話は、自分で考えたと勘違いしているだけで、
ほんとはどこかで読んだのかもしれないなーと、一晩寝たら自信なくなっ
てきたので書いておきます。『お嬢様のお気に入り』レビューを見ていた
ら、執事の話が説教臭くて嫌と言う人も多いみたいだけれど、これは罰で、
説教そのもの。この時代この状況だとガンガン叱られた挙句、大変まずい
状況に追い込まれて然るべきところ、この程度のお説教で済んでるなんて
それこそ作り話の世界でしかありえない軽すぎる罰なのよ。ありがたや。
■2018年02月17日 怪談
波津彬子『お嬢様のお気に入り』小学館。怪談が大好きな英国貴族のおぜ
うさまが、老執事に怪談で寝かしつけてもらう話。心配ごとがあって目が
さえていても、怪談に満足するとすーす―寝ちゃうって、羨ましい特異体
質よねえ。怪談嫌いの私にとって、怪談本体は結構怖くて「ひー」なのだ
けど、嬢ちゃんの周りの人が全員賢く、考え深く、愛情に満ち溢れている
ので、安心して読める。これぞ真冬のアイスクリーム(←私が考えた、子
どもが怪談好きの理由。お部屋=家族の暖かさを楽しんでいる)。美味。
■2018年02月16日 問題はそこじゃない
…と書きながら、なぜ学校から制服を強要されなくてはならないのか。2
万円ならいいのか。私立校ならいいのかなど、根本的におかしいだろそれ
というところを平気で通り過ぎている自分にも呆れる。「これが制度。こ
こから外れたら不良」という子を作りたいだけでしょ。「みんなちがって
みんないい」じゃないの? 金子みすゞのこの詩を子どもたちに暗唱させ
て、やってる教育は「目指せ画一」で、その二重規範や標語に内在する嘘
に、子どもの心がどんなに傷つくか考えないのは、無神経すぎると思う。
■2018年02月15日 120cmから160僂
小学生の服のサイズって、どれぐらいあるの? 調べると男女共に6歳前
後が「120」で12歳前後が「160」サイズ。10センチ刻みで5サイズ存在。
すごくぶかぶかもすごくつんつるてんも我慢させるとして、最低3サイズ
は要るよね。小学生でアルマーニの制服8万円を3セットって、お金持ちす
ぎる。そんなリッチな格好してたら子取りに狙われて危険じゃない? 服
が汚れるあそびは厳禁。普通にしてても汚れるけど同サイズの替えなんて
買えないから、結局全サイズ揃えるのかなあ…よそさまごとながら心配。
■2018年02月14日 週刊 DUDIKO 335
『三月ひなのつき』と『折りびな』

 子どもの時、石井桃子作、朝倉摂絵『三月ひなのつき』(福音館書店)
を読んで、大変心惹かれた。10歳のよし子のおかあさんは、転勤の多い家
に生まれたので、おばあさんが知恵を絞って、60×50×30僂療蛭△法⊃
形一式はもちろんのこと、段から屏風からお道具までが全部収まる奈良一
刀彫の「寧楽(なら)びな」を贈ってくれた。とても大事にしていたそれ
は、1945年の空襲で焼けてしまう。
 その思い出が美しすぎて、おかあさんは娘のよし子に、妥協したひな人
形を買うことができない。ひなまつりには色紙と花だけを飾っている。
 復員兵だったよし子のおとうさんは一昨年亡くなって、生活は苦しいが、
「おひなさま貯金」もして、よし子におひなさまを買いたい気持ちは、ち
ゃんとある。一方よし子は、おかあさんの言う「安物のぴかぴか」でもい
いから、現実の、自分のおひなさまが、ほしくてたまらない。
 読者として、二人のどちらの気持ちも理解した。頭では、おかあさんの
言うことがよくわかる。でも気持ちがついて行かない。よし子の言うこと
の方が、よりよくわかる。だって、子どもなんだもの。いつか大人になっ
たら、ほんものの指輪をするだろう。だけど今、でっかいフェイク宝石の
ついた、安ぴかものの指輪を、この手にはめてあそんでみたい。子どもな
んだもの。
 お母さんと私で、同じ一つの心を持っているわけじゃない。二人で別々
の、二つの心を持っているんだもの。よし子ちゃんは「いつか」じゃなく
て、もちろん自分の知らない「むかし」でもなくて、「たったいま」、自
分の手に触れることのできるおひなさまが、要るんだよねえ。
 でも本ではちゃんと、よし子の気持ちも、お母さんの気持ちも、両方満
足できる解決策が採られて、二人とも、とても幸せになる。嬉しくてため
息が出るような、いいお話だ。
 ここに描かれる、奈良一刀彫の「寧楽(なら)びな」に私も憧れたが、
デパートやお人形やさんで見かけるのは、衣装着雛か木目込み雛だけで、
一刀彫の寧楽びななんて、一度も見なかった。本にも「小さな、ふうがわ
りおひなさま」と書かれている。きっともう、「おはなしの中だけ」のも
のになってしまっているのだろうと思った。
 『三月ひなのつき』は、手元には置かなかった。「三月三日は主人公の
よし子のお父さんの命日」などなど、いろいろと悲しくもあるお話だから、
つらくて。でも好きなお話なので、時々図書館で借りて読んでいた。
 よし子のお母さんの解決策は、「寧楽びなはうんと時間をかけて手に入
れる。とりあえず日本橋まで買いに行った和紙で、おひなさまを折る」と
いうものだったが、後者のハウツー本である田中サタ『折りびな』(69年
福音館書店)が出ていると知って、大喜びで買った。日本橋まで行かなく
ても、折りびな10体分の和紙が、ちゃんとついている。もっともこの本の
存在を知ったときには既に絶版になっていて、それでもほしくて、お高い
買い物になってしまったが(私が買ったのは82年「三人会」発行、95年13
刷の『折りひな』)。
 12年に福音館から新版が出て、今もちゃんと買える。石井桃子さんの勧
めでこの本を書いたと前書きにある。石井先生って、なんて愛に満ちた、
親切な方だろう。
 久しぶりに『三月ひなのつき』読み直した。そして今読む利点、「周辺
事情を、誰でも自宅で、瞬時に検索できる」を活かして、「ここに描かれ
るおひなさまは、石井桃子さんが子どもの時に愛でられたものなのか?」
を調べてみた。きっとそうなんじゃないかなーと予測して。
 はずれだった。昨年7月に亡くなられた、犬養毅の孫で評論家の、犬養
道子氏のものだったそう。毅の三男夫人仲子さんから、道子のひな人形の
中の一組を、かつら文庫に寄贈したいという申し出があり「岸田節子と石
井桃子の二人で、信濃町のお屋敷から、茶色縞(しま)の大風呂敷で運ん
できた」というのだ。
 それを知ってこの本の見返しの市松模様を眺めれば、茶色だし、市松模
様は碁盤縞(ごばんじま)とも言うから、これが「茶色縞の大風呂敷」と
考えても間違いではなさそうだ。こんな風呂敷に包んで、60×50×30僂
漆塗りの箱を、傷つけないように、お二人でかわるがわる担いで、電車に
乗られたのかなと想像した。
 犬養家のお姫さまのものであれば、個人の所蔵品にしてしまわないで、
かつら文庫のような、子どもが大勢集うところで愛でられるのがお似合い
だなあと思った。
 『折りびな』についてきた和紙の完璧な一揃いがもったいなくて、まだ
折っていない。別の紙でちゃんと練習してから、そろそろ折らなくてはね。
■2018年02月13日 勉学推奨の理由
0208の読者様が「ここにも読書推奨の理由が書いてありますよ」と、吉野
源三郎『君たちはどう生きるか』の原書とマンガを貸してくださった。マ
ンガから読み、本で確かめる。曰く、個人の経験には限りがあるが、人は
言葉を持っているから、書物を通じて互いの経験を伝え合える。その集大
成が学問であり、人は学ぶことで文明を発達させてきた。まだ解かれない
問題を解き偉大な発見をしたければ、何よりもまず学問を修めてその頂上
に登ること。そして自分が抱いた疑問を追う真摯な姿勢を失わないこと。
■2018年02月12日 みんな孤独
栃折久美子『森有正先生のこと』筑摩書房再読。「人には何をしてあげる
こともできないし、してもらうこともできない。本当に人に出会いたかっ
たら、自分の中の暗闇を、どんなに寂しくても一人で行く他ないし、そこ
しか本当に人と会うところはないのだと、知ったものだけに通じあえる優
しさ…」。人と付き合うのに、その時間の長さが問題ではなさそうだとこ
のごろ思う。不本意な別れ方をしたからだめだったということにもならな
いし人とのご縁も正解は一つではなさそう。でも孤独の覚悟は常に必要。
■2018年02月11日 グレーの中細メリノで
べラ・ブロスゴル『しずかにあみものさせとくれー!』ほるぷ出版。読ん
でのお楽しみに、珍しくネタばれ遠慮しときます。絵から類推したメリー
ウィドウばあちゃんちの構成だけ。農家。子ども6人が同じ敷地内にそれ
ぞれ居を構え、平均子ども数5人をばあちゃんちにぽんぽこ放り込んで働
く働く。「編み物、愛!」なばあちゃんは、邪魔されないために頑張る頑
張る。作者プロフィールに「これまでに編み上げたセーターは20枚以上」。
あらまオトモダチ。今やってるのはね、細かい模様のガンジーセーター。
■2018年02月10日 風邪予防
家族にB型インフル。移らないようにするには? うがい。手洗い。濡れ
マスクをする。濡れタオルをぶら下げる。いつもは「静音」の空気清浄機
にゴーゴー働いてもらう。新聞のオマケ冊子の風邪予防法に「玉ねぎを切
って皿に乗せ、枕元に置く」とあった。横二つ割りにしていたら「表面積
大きい方がいいのでは?」そだね。みじん切りにする。何だか効きそうな
つんつん感が頼もしい。そして腹八分目。昔、ヨガの先生に「風邪の後に
振り返ると食べ過ぎだったことが多いのではありませんか?」と習った。
■2018年02月09日 本の中の友だち
現実の友だちには意地悪も嘘つきもいるし、集団でいじめにかかってくる
こともあるのに、入学前から「友だち100人できるかな」と歌わせて、友
だちがいないのはお前が悪いみたいなプレッシャーをかけてくる。らんか
社社長高橋啓介さんの翻訳絵本のソデ紹介文に「もちろん、友だちは少な
い」とあったのが忘れられない。本の中の友だちは必要な時に現れて助け
てくれる。時には姿を現さないまま、本人が気づかないうちに助けてくれ
る。これが強力。後から「危ないとこだった。助かった」と思ったりする。
■2018年02月08日 読書推奨の理由
全国学校図書館協議会発行の月刊誌に掲載された、小宮由さんの「どうし
ておとなは『本を読みなさい』っていうの?」を読む。お答えは「本の中
に作った心の友だちが、ピンチの時に味方をしてくれるから」。ほんとに
そうよ。本中毒の60歳は知っている。これは「本で読解力をつければ、算
数も社会も理科も人よりいい成績が取れて幸せになりますよ」とは違う。
読んだ子は「僕がほんとに幸せになるように願ってくれる人が、ここにも
いるんだ。なんか嬉しい」になれると思う。http://konoano.tumblr.com/
■2018年02月07日 週刊 DUDIKO 334
別れを自分に言い聞かせる人形

 私は母方祖母の初孫だった。初節句にひな人形を贈ってくれたおばあち
ゃんは、「豪華な壇飾りが買える値段で、おだいりさまとおひなさまの一
対だけ、衣装着人形の親王飾りを買う」と決めていたそう。そういうのは
店頭に出ていなかったので、奥に案内されて見た中から、一番お顔がきれ
いと思うのを選んでくれた。
 ブカブカと鳴る足踏みオルガンの上に、毎年飾った。お花の描かれたぼ
んぼりの薄い絹地に、そうっと指を滑らせてみるのが好きだった。おだい
りさまの笏を、輪にした手に握らせたり外したり、おひなさまのかんむり
の揺れる金色の飾りをちらちらと揺らしたり、金屏風を少しだけ開いたり
閉じたりしてみるのも好きだった。
 お店のおひなさまも、熱心に眺めた。お道具類が面白そうだったけれど、
おばあちゃんが一生懸命選んでくれたうちのよりきれいなお顔のおひなさ
まは、いないなあと思っていた。新作はなんだか、そのころはやりのタレ
ントさんに似せた顔にされているような気がして、それはやがてすたれる
のだから、お気の毒だと思っていた。
 毎年「これから」と思う時に、おひなさまはさーっと片付けられてしま
った。四人姉妹だったので、「娘たちが四人とも、嫁(い)き遅れないよ
うに」と、毎年三月三日の夜にはもう、箱に収められる。私が子どもの頃
は、決まりごとのようにそう言われていたのだが、なんだか納得できなく
て、わけを尋ねたことがある。「季節の飾りをいつまでも出しているよう
な、だらしないことしていたら、お嫁にいけないってことだと思う」とい
う答えだった。「女の子はお嫁にいって『上がり』」とされていた。家政
学部で民法などもちょっと勉強した学生時代から、イエのオンナの「嫁」
にはなりたくないと思うようになったけれど。
 おばあちゃんが買ってくれたおひなさまは、四人姉妹で毎年だいじに眺
めて、その続きは、母が立ち上げた幼稚園で飾るようになった。末の妹が
中学生、私が大学生の時だった。
 私の娘は母にとっての初孫で、もちろん母はたいそうおひなさまを買い
たがったのだが、「好きなのを買いたいから」とお断りした。母が私の意
を汲んで諦めてくれたことに、感謝した。
 おばあちゃんに贈られた衣装着雛の、美しいけれど寂しげではないお顔
に届く(主観)ご夫妻には、出会えなかった。結局、奈良一刀彫りの小さ
な立ちびなと、桜の枝を皮付きのまま、少しだけ削って作られた、大変素
朴で古い吉野雛を、初節句からかなり遅れて入手した。
 「娘が嫁き遅れないためようにするために、おひなさまはさっさと片付
けよ」という言いならわしには、なんだか釈然としないところが、今もあ
る。しかし、そんな脅しめいた言い方をしてでも、子どもが結婚しようが
しなかろうが、男女を問わず、「子どもをいつまでも自分のそばに置こう
と思うな。いつまでも親のそばにいることをこそ、恐れよ。子どもは手放
すものだよ」ということを、過去に引きずられがちで、子どもを縛りがち
な我々に、教えてくれているのかもしれない。
■2018年02月06日 つくるのたのし
少し傷のある「わけありふじりんご」を箱で買って、おとんのジャムづく
り。低農薬だから皮ごとすりおろして、深くて大きな耐熱皿に、レモン汁
と砂糖と一緒に1個分ずつ入れて、800Wで3分ずつ(しかやってくれない)
様子を見ながら電子レンジにかける。12分がいいかな。こういうのは掛け
算だそうなので、600W連続運転だと16分ね。一度にたくさんだと吹きこぼ
れるので1個ずつ。できたのから別の器に移して貯め、後から混ぜて味を
見る。チャック袋に小分けして、大きな袋に二重に入れて冷凍。たのし。
■2018年02月05日 谷川俊太郎訳『はるは』
ジャニナ・ドマンスカ作、わたりまりこ訳『はるなつあきふゆ』アリス館
が好きで、初版と3刷の2冊を持っている。絶版なので人に薦めにくいのを
残念に思っていたら、谷川俊太郎訳『はるは』童話館出版が出た(作者名
表記はジャニーナ)。嬉しいな! 大きなお花を風船のようにかかげて野
越え山越え海越えて、四季の中を旅するやさしげな犬さんと一緒に、私も
季節を一めぐりしたような楽しい気持ちを味わった。意味の中に沈み込ん
で砂金を探し当ててくるような詩の翻訳について、新訳で改めて考えた。
おそともすき